フォント会議 in Cont

4月10日はフォントの日

4月10日は4(フォン)10(ト)でフォントの日!。
弊社では、「フォント会議」と題し、フォントにまつわる座談会を行いました!
今回は、「合同会社イッケンヤ」のデザイナーM氏をお招きし、Contデザイナー陣と熱く語り合いました。

  • 合同会社イッケンヤ M氏合同会社イッケンヤ代表。タウン情報誌の編集者からデザイナーへ転身。デザイナー歴は24年。好きなものは漫画とバイクと大分トリニータ。

  • 敷嶋仁美株式会社Contのディレクター。デザイン事務所、広告代理店、フリーランスを経て現在に至る。デザイナー歴は17年。好きなものは猫とファッション。

  • ito株式会社Contチーフデザイナー。子育てと仕事の両立に奮闘中。デザイナー歴は18年。愛娘と文鳥、猫、バイクが大好き。

  • komori株式会社Contデザイナー。長きに渡る放浪生活の末、2017年Contへ入社。デザイナー歴は4年。レコード収集と昭和モノが好きなロン毛デザイナー。



まずは自己紹介がてら好きなフォントを

komori:
僕は、いつも奇抜なフォントを選んで失敗することも多いので、今回は王道のものをセレクトしました。和文だと圧倒的に「見出ゴ」と「A1明朝」がお気に入り。あとは、カクカクしている「コメット」かなぁ。僕はこういう直線的な書体を使うことが多いですね。欧文フォントだと、王道ですが「DIN」が好きです。


敷嶋:
「DIN」いいね。ちょっと長体がかかったようなフォントだよね。WEBをきっかけに流行り始めた気がする。

M:
ディン?「このまま君だけを奪い去りたい」の?

komori:
それは「DEEN」です(笑)。あとは、「Bank Gothic」、セリフ系なら「Bodoni」。「Bank Gothic」は、使う場面はそれほど多くないんですが、不思議と惹かれます。

ito:
好きなフォントとよく使うフォントって違うので、かなり迷います。制作物にマッチするものを選びながらなので、自分の好きなフォントを使うのが難しいことも多いですよね。私は、和文だと、「ロダン」。愛嬌もあってすごく使いやすい。あとは、「フォーク」とか「スキップ-B」はちょっとクセがあって、タイトルとしても成り立つので、よく使いがち。明朝系だと、「貂明朝」。和風なんだけれど、洋風テイストでも使えるし、何より可愛い!!


M:
本当だ、可愛いですね。筑紫ほど角ばっていないですし、「い」と「こ」の、クイッと流れる感じがいいですね〜。これを機にダウンロードしてみよう。

ito:
あと、私もやっぱり「Bodoni」ですね。美しいし使い勝手が良い。

敷嶋:
わかる〜。私も「Bodoni」の小文字が好き。雑誌「VOGUE」タイトルの、あの繊細なイタリック体の感じが好き。

M:
僕は、セレクトが誰ともかぶってないことに驚きです。欧文だと、太い!黒い!の「IMPACT」。あとは、「Futura」のフォントフェイスが多くて使いやすいところも好きかな。そして、何より「Cooper」。レトロで可愛いし、テキストとして使っても可愛いし、ロゴに使ってもサマになる。あと、皆さんにおすすめしたいのは「豪龍」。

敷嶋・komori:
「豪龍」?どんなフォントですか??

(一同、ググる)

M:
「豪龍」はめちゃくちゃ使いやすい!「オリャー!!!」っていう勢いを表現したいときに使ってます。ラーメン屋さんの「味噌!」「替え玉無料!」とかね。以前は筆書って誰かに書いてもらうしかなかったけど、「豪龍」を使えば、本格的な手書き文字が表現できる。文字の大小をつけると、さらに味が深まりますよ。


敷嶋:
好きなフォントと言われると難しいので、思い出深いフォントをいくつかピックアップしました。丸明朝体がリリースされたときは衝撃でした。特に、「A1明朝」。全体的に柔らかい印象になるので、本文をはじめ、色々なところで使ってます。あとは。グラフィックデザイナーの田中一通が作ったフォント「光朝」。縦横の太さの差が大きくて、華奢な印象もあって使っちゃいます。



街で見かけるフォントあれこれ

敷嶋:
フォントを選ぶときは、制作コンセプトに似合うかどうかを考えるんだけど、そのためには、トレンドの書体だったり、似合う書体探しに旅立ったりすることを大切にしてますね。フリーフォントも使ったりすること多いし、気づいたらよく使ってしまうのが「やさしさアンチック」だったり。ただ、可愛い書体なんだけど字詰めがすごく大変なんです。

M:
よくコミックとかで見かけるフォントですね。

敷嶋:
そうです!あと、個人的には「Greycliff」に思い入れがあるかな。実は、Contのロゴの書体なんですけど、ゴシックだけど、ほどよく角が落ちてて、惹かれます。

M:
フォントのこと語り出したら止まらないですねぇ。新作のフォントも気になるけれど、やっぱり「Helvetica」みたいに歴史をつくってきた書体は使い勝手が良い!

ito:
七種泰史が作った「キリギリス」も一時期流行ってましたよね。「Gooday」のコマーシャルを機にいろんなところで見かけるようになりました。手作り感のあるフォントで可愛いけど、字詰めもバランスをとるのも難しくて気軽に使えないフォントではありますけど…。

M:
そして、フォントで忘れちゃいけないのは、webフォント。これからの主流になっていくだろうし、どんどん発展してほしいですね。ただ、日本語の場合、文字数が多くて容量との戦いがある。そして「Google font」は、まだまだ日本語フォントのバリエーションが少ないですよね。「源ノ角ゴシック」「Noto Sans」がリリースされてだいぶ良くなったけど、コーダーへの細かい指示出しが必要になってくる。ワークフローで考えるとデザイナーもWEBフォントの仕組みをしっかり理解していくことが必要だね。



フォントにまつわるエピソードトーク

ito:
フォントって、良いフォントを使えば、良いデザインができるというわけではなく、そのフォントを使いこなせるかどうかが大切。以前、すごく素敵なデザインの制作物に出会って、何のフォントを使ってるんだろうと調べたら、「小塚」だったんです。それまで「小塚」に対する固定概念があったんですけど、使い方次第では、すごく良いデザインができあがるんだなと衝撃を受けました。デザインの良し悪しはフォントじゃなく、やっぱりデザイナーの腕にかかっているんだなと。それ以来、細かい部分の差の見え方の違いを意識するようになりました。

komori:
フォントについて人に聞く機会もないですし、楽しいですね。それに、普段から社内のデザインチェックでフォントに修正指示が入ることも多いので参考になります。


敷嶋・ito:
確かに(笑)。

M:
え?どんな修正もらうの?

敷嶋:
色とか料理とかと一緒で、フォントにも組み合わせがあると思うんだよね。

komori:
冒頭でもちらっとお話しましたが、奇抜なフォントを使うことが多いんです。あとは、見出しがポップで、本文もポップと、全体的にポップすぎる組み合わせだったり。つい先日も、日付を太ゴシック、下に置くテキストで細い明朝を使ったり。筆記体なのに、文字間を開けてみたり……。社内提出の段階で、「これはちょっとww」と指摘を受けることが多いです。

M:
ファッションで例えると、パンツはジャージで、トップスは着物というイメージかな。モード系と言ってしまえばカッコいいけど(笑)。

一同:
(爆笑)

komori:
良かれと思ってチャレンジして失敗することが多いです。日々勉強ですね。今日は、フォントにまつわるいろんなお話をお聞きすることができてよかったです。

敷嶋:
Webフォントもそうだけど、まだまだ学ぶべきことは多いね。今後もいろんな方をお招きして、クリエイティブ座談会を開催していきましょう。Mさんありがとうございました!