マーケティングのウンコとは

komori

追悼・桜井順

2021年という年はCMソングにおける
レジェンドたちの訃報が止まりません。

作詞専業の名コピーライター伊藤アキラさん、
業界に革命を起こしたヒットメーカー小林亜星さん、
そして、先日はすぎやまこういちさんまでも…。

皆80オーバー、すぎやま先生に至っては90歳。
こればっかりは自然の摂理。
しかし、やはり寂しさが残ります。

上記の3名に加え、もう一人、CMソングの大作家が
9月にこの世を去りました。

CMソングの祖、三木鶏郎氏の門下生で
この方は師匠同様、作詞・作曲とも手掛けました。
名前は知らずとも、聴いたことがあるであろう、
フレーズ、メロディーを数多く残しています。

追悼・桜井順特集としまして、
氏の名作を紹介します。


年末年始の風物詩
「フジカラー お正月を写そう」



数多くの曲を手掛けた資生堂CMより、
伝説のクリエイター杉山登志氏とのコンビで制作された
「資生堂 ファッション・ベイル・サイコロ篇」


九州人にはまったく縁がない、
けれど東京人には超お馴染みだったらしい
秋葉原の今は亡き「石丸電気」


コミカル系の代表作
「エースコック ブタブタ子ブタ」



甘酸っぱい味を太郎さんと花子さんの恋物語に。
「カバヤ マスカットキャンディー」



盟友・野坂昭如氏とも数多くの作品を。
野坂氏の豪快な歌唱がインパクトあります。
「サントリー ゴールド900」



桜井順さんは多彩な作品を次々とつくりながらも
こんなことを語る反骨精神の持ち主でした。

“ひとたびTVにサラサれたCM音楽は「作品」などではなく、
マーケテイングの「ウンコ」に過ぎない”


そうは語りながらも、数十秒の世界で、
知性と遊び心と毒を持って戦い続けた孤高の職人。
私はこれからも、先生の残した「ウンコ」を
拾い集め、愛で、楽しんでいきたいと思います。