毎日は交響曲だ
極私的名盤紹介
突然ですが、名盤紹介コーナーです。
今回は昭和音楽好きの私が追いかけている
数少ない現在進行形の1組、□□□が
2009年にリリースしたアルバム「everyday is a symphony」。
まず、□□□って何?名前?と感じる方が大半かと思います。
四角3つで「クチロロ」と読みます。
私はまずここで心を掴まれました。
ジャケ買いならぬネーム買いでしょうか。
最近は奇をてらったバンド名が色々とありますが、
クチロロ、このくらいの捻りがちょうどいいです。
渋谷系ポップス、エレクトロニカ、ヒップホップなど
多様な音楽性で活動を続け、様々な編成を経ての2009年に、
ジャパニーズヒップホップのパイオニア的存在でもある
いとうせいこう氏がメンバーに加わりました。
その後の最初の作品がこちらの作品です。
日常の会話や音を録音して活用する
「フィールドレコーディング」というテーマを掲げた
大変実験的かつ壮大な作品です。
そのため、普通ではありえない歌詞が記載された曲も。
色々な会話をつぎはぎにつないだ曲にはじまり、
電車のドアが閉まる音でリズムを刻む曲や、
卒業式における校長先生の話、生徒のスピーチや、
宝くじが当たった人の歓喜の雄たけび、
お花見のどんちゃん騒ぎをサンプリングしたり、
温泉のパシャパシャという水の音にベースが激しく絡んだり、
メールのやりとりが歌詞になっていたり、と
とにかく様々なアイデアにあふれた作品です。
ヘンテコ極まりないですが、抜群のポップセンスで
見事なグッドミュージックへと昇華されています。
白眉は時報の「ピッピッピッ、ポーン」の音が
リズムを刻み続ける「00:00:00」という曲。
時報とドラムの相性が抜群です。
デザインにおいてもアイデアはとにかく大事です。
行き詰まったときは□□□の音楽を聴いて
「常識にとらわれてはいけない」と再認識しようと思います。