職業作曲家、筒美京平。
ソフトロック追悼
先日、日本音楽史の超重要人物
筒美京平さんの訃報が流れてきました。
歴代作曲家総売上ランキングTOP5
1 筒美京平 7560(万枚)
2 小室哲哉 7184
3 織田哲郎 4180
4 桑田佳祐 3901
5 つんく 3825
60年代、70年代には「作曲」を生業とする
素晴らしい「作曲家」がたくさんおりますが、
その多くは今やあまり世間一般では名前も通じず、
こういったランキングには無縁の方ばかり。
そんな同業者に比べ
筒美先生はとにかく圧倒的な知名度、セールスを誇ります。
最大の売り上げを記録したのは
ジュディ・オングの「魅せられて」で120万枚。
2-5位の方々はCDバブル時代にもバリバリで
ダブルミリオン当たり前みたいな感じですので、
そのころには寡作となっていた筒美先生の場合、
とにかく数多くのヒットを積み上げて
この順位にいるのだということがわかります。
この際なんとか小室さんには
もうヒットを出さず、順位変動を起こさないで欲しいです。
筒美先生のすごいところは一貫した「匿名性」にあるかと思います。
裏方に徹し、取材や顔出しはあまり行いませんでした。
身近な関係者ですら「どんな人かよく分からない」と言います。
その楽曲タイプも多岐にわたり、
いわゆる「筒美京平らしさ」というものを持たないため、
「え?これも筒美京平?」と驚くことが多いです。
職業として割り切って、使命としてヒット曲を書き続けた
まさに「職業作曲家」です。
訃報のニュース記事には先生の代名詞として
「木綿のハンカチーフ(太田裕美)」
「また逢う日まで(尾崎紀世彦)」
「サザエさん」などが並びましたが、
私の追悼特集はどうしてもマニアックになります。
特に好きな3曲をピックアップします。
絵本の中で(1972) / いしだあゆみ、クロディーヌ・ロンジェ
私が一番好きな筒美京平作品。
いしだあゆみが歌う筒美作品といえば
「ブルー・ライト・ヨコハマ」ですが、
こんなにオシャレで素敵な曲もあったのです。
クロディーヌ・ロンジェというフランスの歌手が
来日時にこの曲を日本語のまま吹き込んでおりますが、
カタコト歌唱でもいい曲なのです。
いつか何処かで(1972) / つなき&みどり、平山三紀
洋楽で「ビートでジャンプ」という大ヒット曲があるのですが
この曲をモロに元ネタとして使っております。
つなき&みどりという夫婦(当時)デュオと
シンガー平山三紀のバージョンがあり、
どちらも素晴らしく甲乙つけがたいです。
ともにシングルのB面で、洋楽指向の筒美先生が自由に
好きなことをやれたのだと推察できます。
すがおのあなた(1973) / リバティ・ベルス
最後はCMソングで。
シミ・ソバカスのおくすり「ハイシーA」のCMも筒美作品でした。
武田薬品のCMソングはいいものが多く、
これはその最高峰ではないかと思います。
筒美先生、素敵な音楽をたくさん残していただき
ありがとうございました。