嗚呼、いとをかし。日本語のことば遊び
広告で見る、日本語のことば遊び
一見すると普通の文章だけれど、各行の頭文字をつなげるとメッセージが現れる文章「縦読み」。最近ではメッセージ広告や芸能人のSNS投稿などでも目にするようになってきました。今回、SNSを賑わせた面白い広告をいくつかピックアップしてみます。
ゾワッとする人続出!恐怖の勝利宣言
2020年1月31日、「マクドナルド秋葉原昭和通店」の閉店に伴い、マクドナルドの広告へのアンサーとして、2軒隣のバーガーキングが送ったメッセージ広告がSNSで話題に。
一見、ライバルへの温かいエールに思えるこの広告。
文章を縦読みしてみると…、
「私たちの勝チ」―――。
本国アメリカでは、バーガーキングがマクドナルドの看板を炎上させるアプリを開発したり、看板商品のワッパーの大きさとビッグマックの大きさと比較するCM作ったりと、そのスケールが斜め上すぎて、もはや殴り合いのような挑発広告がデフォルト。
ただ、日本では「バーガーキング怖すぎる」「もう行かない」など、賛否両論だったようですが……。
胸アツなコピーに秘めた想い
お正月の風物詩・箱根駅伝で、新記録をマークした選手がこぞって履いていたナイキの厚底シューズ「ヴェイパーフライ」。
その様子を受けてかはわかりませんが、日本のスポーツメーカー「ミズノ」がこんな広告を出しました。
胸が熱くなるようなコピーの数々、こちらも縦読みしてみると
「あつぞこ絶対たおす」――。
ジャパンブランドの意地、溢れ出ちゃってます。
血管、わたしも好きです。
JR東九州の電車内に掲示されたディアボーテHIMAWARIの広告。
頭の文字を左から読むと
「一生さんのうデのけっかんが好きです」笑。
文字ばかりの広告に、なにか工夫したいという思いからこの広告が誕生したそうです。
意外と歴史が古い縦読み文化
最近なにかと話題の「縦読み」ですが、実はこの手法、平安時代から使われていました。
平安時代のプレイボーイこと在原業平が作者の「伊勢物語」。
(実はわたし、伊勢物語が好きで日本語日本文学科を専攻しました)
その中の和歌に
からころも
きつつなれにし
つましあれば
はるばる来ぬる
たびをしぞ思ふ
(意味)
繰り返し着て身体になじんだ唐衣のように、長年つれ添った妻を残して、はるばる来てしまった旅のわびしさをしみじみと感じます。
「かきつばた」の5文字を入れて和歌を詠めと言われて詠んだこちらの歌。
これが今で言う「縦読み」や「あいうえお作文」の元祖だといわれているとか。(※諸説あり)
さらに、いろはにほへと〜…で始まる「いろは歌」にも折句が仕込まれているとかいないとか。
同音の単語が2つの意味をもたせる懸詞(かけことば)、
ことばの連想を重視する枕詞(まくらことば)……。
日本語ってことば遊びが多くて、ほんとに面白い!
しかも、そのことば遊びの精神は、テレビのクイズ番組やお笑い番組はじめ、今でも私たちの生活の中に息づいてます。
まだまだ面白い日本語に触れて、人の心に届く言葉を発信していかなきゃいけないのだ…としみじみ。
いいなと思う本を読んだり
いいなと思う音楽を聴いたりしながら
ねっしんに
たのしく仕事しよう。
つねに面白いことを考えながら
クリエイティブな
りっぱなライターになるために
まだまだ勉強の真っ只中。
すすめ〜私!
ううう、縦読みムズカシイ。
…まだまだ修行が必要やわ。