Kendrick Lamarを語らせて。

kudo

ヒップホップ界の神様

この夏、ヒップホップ好きには見逃せないアーティストのライブがありました。


8月に開催された都市型フェス、SUMMER SONIC(通称:サマソニ)に

ヘッドライナーとして出演した、ケンドリックラマーです。


ヒップホップ界隈では「ヒップホップの新王者、神様」など称され、嫌いな人はいないんじゃないかと言われるほどの人気ぶり。


私も例に漏れずケンドリックが大好きで、彼のライブ見るために今年のサマソニへ参戦してきました。


全世界から大注目のケンドリックラマー。界隈では有名ですが知らない人の方が多いと思うので

一体何がすごいのかを個人的な見解で簡単にご紹介。


ケンドリックラマーのここがすごい!

1:今までのヒップホップの定義を崩した

ヒップホップというと、”やんちゃ”や”怖い”など悪いイメージを持つ人も多いかと思うのですが、

あながちそのイメージは遠くなく、楽曲では「こんな悪いことをしたぜ〜!」と語られることが多いです。

しかしケンドリックは、アメリカ最強の凶悪都市と言われるコンプトンで生まれ育ったにもかかわらず、ギャングには加担せず、優等生ルートを歩みながらヒップホップカルチャーに傾倒していきました。

世界デビューした際に発売した「good kid, m.A.A.d city(狂った街の優等生)というアルバムでは1曲目から最後の曲まで彼が幼少から歩んできた人生をなぞるように構成されたコンセプトアルバムになっています。

good kid, m.A.A.d city


また、強さや男っぽさが暗黙のルールで大前提となっていた業界でしたが、彼の書く歌詞には自分の弱さや葛藤、自己嫌悪などネガティブな面を曝け出すことが多いです。

「自分らしくあることが何より大切だ」と説く彼のフィルターを通して作品作りをしている様子が伺えます。

この流れから、現代のヒップホップに今までの定説でなくてもいいんだという潮流を作り出し、枝葉に別れてヒップホップの中に様々なジャンルを作ったのではないかなと個人的には思っています。

2:書き手/作り手としての能力の高さ

ヒップホップという楽曲は歌詞を読む音楽でもあると思っています。

ケンドリックの書く歌詞には、マスな事柄(社会情勢やBlack Lives Matterの運動)とマイクロな事柄(個人的な感情の揺れなど)を行き来し、その事象を彼にしかない言葉や比喩で表現している印象です。

彼の書いた歌詞で好きな言葉があります。

Poetic Justiceという曲の中で

If I told you that a flower bloomed in a dark room, would you trust it?(もし暗い部屋の中で花が咲いたと僕が言ったら君は信じてくれるか?)

コンプトンという暗闇で育ったけれど活躍しようとする自分を、暗い部屋の中で光合成ができなくとも蕾を咲かせようとする花に例えています。

私はこの一文からケンドリックを好きになりました。

Poetic Justice – Kendrick Lamar(Janet Jacksonのany time, any placeのサンプリングも最高)

また毎回のアルバムも一つの物語として完成させる精度の高さ。

一曲ずつの独立したテーマを持ちながら、最終的には全体として繋がる面白い構成。

聴く側としては色々なことを想像せずにはいられず、歌詞やサンプリングの中に散りばめらたヒント見つけながら

どんなアルバムなんだろう、何を伝えたいんだろうと考え、楽しむ余白を与えてくれます。

3:人としての魅力

彼を見ているとアーティストというより、コンプトンに生まれ育った一人の黒人男性という印象を強く感じます。

“普遍的な人間”の魅力をありのままさらけ出すことが世界各地にいる人々の共感を呼んでいます。

普段話すときは背中はちょっと猫背で伏せ目がちで口調も穏やかに話すとてもチャーミングな人です。


また、彼はさまざまなコンセプトアルバムを出していますが、一貫して感じられるのは自己愛です。
弱い自分も受け入れて愛していく強さは、混沌とした今を生きる一人の人間としてとても美しいなと思います。

“I love myself!(自分を愛している!)”と高らかに歌う 「i」という曲(とても大好きです!!)がまさに彼が伝えたい自己愛を詰め込んだ楽曲になっています。

i- Kendtick Lamar

と…語り出したら止まらないのですが、、

もちろんサマソニでのステージも圧巻でした。

ワンマンではなかったのに手を一切抜くことなくヒップホップ・エンターテインメントの最前線を堪能しました。

野外で爆音にまみれて、ここ数年で一番楽しかったです。笑

次なる野望は、いつか単独公演を見に行くことです…!!!

(興奮冷めやらず、サマソニのセトリをプレイリストにして楽しむ毎日です。)

あの1時間ちょっとのステージは、もはや”教え”でした。

そして…そんなヒップホップ好きも楽しみにしているシティポップのイベントが

9/22(金) 10 coffee brewersさんにて開催されます。

石川ひとみの「まちぶせ」が大好きなのでイベントのときにかからないかなと密かに願っています。(そもそもシティポップじゃないかな…?)

みんなが楽しめるイベントです。ぜひお越しください!

詳細はこちらから!