愛すべきフランスオヤジ
出逢いは空耳で
10代の頃、洋楽を聴くのがカッコいいみたいな時期が
誰しもあったのではないでしょうか。
そういったとき、イメージ的にはアメリカのロックにいきそうですが、
私の場合はフランスのあるオヤジでした。
セルジュ・ゲンズブール
フレンチ・ポップスの重要人物で
その肩書きは、作曲家、作詞家、歌手、映画監督、俳優、と多岐に渡る才人です。
チョイ悪オヤジ的雰囲気で、酒、タバコ、女がよく似合います。
没後30年を過ぎていますが、人気は健在です。
もし存命であれば、きっとLEONの表紙を飾っていたことでしょう。
とにかく女性にモテた人生。
浮名を流した女優は多く、ジェーン・バーキンとは事実婚となり、
二人の間には女優、歌手のシャルロット・ゲンズブールがいます。
作った曲が卑猥すぎて放送禁止を喰らったり、
テレビ番組に出演した際に紙幣を燃やしたり、
フランス国歌をレゲエにパロディし右翼団体に狙われたり…。
チョイ悪のレベルではなかったですね。
その出逢いは中学生の時。
当時、「タモリ俱楽部」内の人気コーナー「空耳アワー」にドハマりしており
過去の名作として彼の空耳楽曲を聞いたのがはじまり。
作品の面白さは勿論、空耳部分に至るまでの楽曲の良さに惹かれたのでした。
それがこちらです。
私はこの曲が通しで聞きたいと思い、ベスト盤CDを買ったのでした。
15歳でゲンズブールとは、我ながら早耳でした。
はじめて触れたフランスの音楽。
時系列で収録された代表曲の振り幅に驚きます。
歳を追うごとに変わりゆく音楽性と歌唱法、そして風貌。
シャンソンでのデビューからレゲエ、ヒップホップまで。
すべてが自然で、天才とはこういう人をいうのだろうなと思います。
ひょろっとした青年はいつしかマフィアのボスのように。
ただ、不思議なことに長年このベスト盤のみで満足してしまい
オリジナルを買い始めたのはここ数年。
日本では本人というより、提供曲のヒットが有名で、
フランス・ギャルの「夢見るシャンソン人形」がビッグヒット。
フランソワーズ・アルディで有名な「さよならを教えて」の作詞者でもあります。
ともに近年、CMでリバイバル使用されていましたね。
最後にゲンズブール空耳の最高傑作を。
何回見ても面白い、納得のジャンパー作品です。
彼の眠る墓には、デビュー曲「リラの門の切符切り」にちなんで
地下鉄の切符を供えるのがお約束らしく、
私もいつか切符を持って参りに行きたいと思っています。