みんなで歌おうコマーシャルソング
昭和にこんなイベントがあったとは
現在の私のライフワークとなっているのが、CMソング収集。
イメージソングやタイアップではなく、
商品名や企業名などが歌詞に登場する、本当のCMソング。
そんな昔のCMソングの多くは、商業音楽ではないためメディアの流通がなく、
主に非売品のソノシートとして残されています。
レコードですら馴染みが薄い時代に
ソノシートといっても、ピンとこない方も多いでしょう。
普通のレコードとは違い、薄くスケルトンでペラッペラ。
だけど針を落とせばちゃんと音が出ます。
![](https://cont-jp.com/wp-content/uploads/2020/06/kmr_4_3.jpg)
そんなCMソングのソノシートにこんなアイテムがあります。
![](https://cont-jp.com/wp-content/uploads/2020/06/kmr_4_1.jpg)
ジャケットには「CMソング 全国のど自慢コンクール」の印字が。
CMソングのど自慢…。なんでしょうその謎の大会は。
調べてみると、NHKののど自慢ではなく
民放ラジオ局が主催した、CMソング縛りののど自慢があったというのです。
1960年代に数年間催されていたようで、その年ごとに対象曲が決められており、
その曲たちが参加CMソングとして、それぞれソノシート化されていたようです。
このアイテムの面白いところは、
まず商品や企業の紹介ナレーションからはじまるところ。
歌詞を覚えるために、ナレーションのお姉さんが歌詞を無機質に読み上げるところ。
同じ曲を何度か繰り返して、「もう覚えましたね」のフリから最後にもう1回流れるところ。
紹介NA〜曲〜歌詞音読〜曲(伴奏のみ)〜曲〜「もう覚えましたね」〜曲
大体の流れはこんな感じです。
曲を覚えて大会に出場するという流れを考えれば納得の収録内容です。
そして偶然、古い広告本に65年の募集ポスターを発見。
![](https://cont-jp.com/wp-content/uploads/2020/06/kmr_4_2.jpg)
1位の方には賞金20万円、今の価値に換算すると約80万円がもらえたようです。
商品宣伝のための曲を、ちゃんと覚えさせてみんなに歌わせよう、
なんなら大会開いちゃおう、よっしゃこれ毎年やろう、なんて
いかにも昭和な謎多きイベントです。
時代は巡るといいますが、またこんな時代がくるといいなと思っています。