お盆の風物詩、ど田舎の精霊流しあるある

ツルハシ

ボンボヤージュ

もうすぐお盆ですね!
ど田舎の港町出身である私にとって、
お盆の風物詩といえば、
精霊流しがイチオシです。

お盆中、家に帰ってきてくれたご先祖様には、
お盆最終日の日付が変わるまで
存分に長居をしていただきます。
24:00を過ぎたら
ご先祖様が乗った舟を海に流して、
お見送りするという習慣が
私の地元での精霊スタイル。

8月になれば精霊舟の販売コーナーが
あっちこっちのスーパーや
量販店で特設される地域です。
故郷を離れてみると、
外出先で精霊舟売り場に出くわさないので
この時期は物足りない気持ちになります。


24時だョ!全員集合

ご先祖様の乗る舟は、
全長60センチほど。
屋根があって
屋形船のような造りとなっています。

蝋燭が灯った提灯と
「西方丸」と書いた手作りの帆で
外観をデコレーション。
舟の中には現世のお土産として、
故人の好物を中心に料理を詰め込んで
お供えを準備。

時間になると、
ご近所のみなさんが寝巻き姿で舟を抱えて、
深夜の海辺にわらわら大集合。
各家庭の精霊舟がいよいよ出航します。


精霊流しあるある

大海原を舞台にする精霊流しは、
実は難易度が高いイベントです。
成功に必要不可欠な
6つのポイントをおさらいします。


1.面舵or取り舵いっぱい

停留している小型ボードや、
浮き玉などにひっかからないように、
障害物に注意を配りましょう。


2.波に乗れ!

舟が逆戻りしたり、
一定の場所でぷかぷか浮いたまま
進む気配が一向にないケースがあります。
いい波に乗れるように、
海の様子をよく観察しましょう。


3.密です

複数の舟が同じ潮の流れに乗ってしまい
密集状態に陥ることがあります。
後述するトラブルを誘発する恐れがあるので、
安全に航海するために、
ソーシャルディスタンスを心がけてあげましょう。


4.マイ・ハート・ウィル・ ゴー・オン

波が高いと浸水は避けられません。
船内に溜まった海水の重みに耐え切れず、
沈んでしまう舟もあります。
お供え物は張り切らずに、
ほどほどに詰めるのがベストです。
舟をなるべく軽量化してリスク回避しましょう。


5.逆転ダイバー

積載量の重さが偏った舟は傾きやすく、
ひっくり返って船底が丸見えになります。
お供え物を詰めるときは、
重量を計算して配分しましょう。


6.火の用心

提灯のなかの蝋燭の火が出火元となり
火事になった舟が出現した場合、
近くに浮かぶ舟は直ちに避難しなければなりません。
届きそうなら、
陸から長い棒などで突いて、
火が燃え移らない程度の距離を保ってあげましょう。



時代の波

夜の海の沖で、
精霊舟の灯りが揺れている
幻想的な光景が好きです。

しかしながら、
環境保全の観点から
精霊流しの自粛を呼びかける
自治会もあります。

私も実際、流した翌日には
漁師さんたちが
大量の舟を回収してくれている現場を
目撃したことがあります。

令和の時代に似合う
精霊流しの伝統のあり方を
模索していきたいです。

そして、どんなカタチであれ、
ご先祖様を供養する気持ちを
大切にしたいと思う今日この頃です。